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「白金ゆにわ」誕生の物語

東京・白金にある『Teas Üniwa 白金 & 斎庭 Salon de thé』、通称『白金ゆにわ』で店長をしています、もきちです。スタッフのみんなからは、いつからか「白金の母」なんて呼ばれています。


今日は、わたしが店長になったいきさつをお話ししながら、『白金ゆにわ』がどんなカフェなのか、ご紹介させてくださいね。

もともとわたしは、『御食事ゆにわ』のキッチンで、ちこ店長と一緒に10年以上働いてきました。二人三脚で走り続けてきたのですが、6年ほど前、思いがけず『白金ゆにわ』で働くことになったんです。

(左から、わたし、ちこ店長、北川さん)

『白金ゆにわ』へ行くことになったのは、本当に突然でした。きっかけは、当時『白金ゆにわ』でパンを焼いたりしていた辻内(つっちん)が、楠葉のお店に行くことになったから。(彼は今、手打ちそばや季節のお菓子作り、料理など、いろいろと活躍しています。)

(つっちん)

それに加えて、もう一人のスタッフ、坂井くんが、なんと指を骨折してしまって…。自分の不注意だったそうですが、利き手が使えなくなってしまったんです。

(坂井くん)

それで、「もきちさん、ちょっとの間、助けに行ってくれない?」と声をかけてもらい、一時的なお手伝いのつもりで、急いで『白金ゆにわ』へ向かいました。

当時の『白金ゆにわ』は、東京でのセミナー後の懇親会で使われることも多く、毎日たくさんのお弁当の注文もあって、お店はいつも満席に近い状態でした。「これは、もっとお店を良くしていかないと!」と感じて、いろいろと改善していくうちに、いつの間にかわたしが店長をすることになったのです。


そのおかげで、『まほうのゆに弁』も改良を重ねてとても人気が出たりして、今振り返れば、坂井くんの骨折も、もしかしたらより良い未来への布石だったのかもしれませんね。

そもそも『白金ゆにわ』は、北極老人(先生と呼んでいます)と社長が、わたしたちのために作ってくれた、特別な場所なんです。東京へ出張することが多いスタッフが心休まる場所になるように、そして、「ゆにわに行ってみたい」と思ってくださるお客様のために、これから出会う方々との「ご縁」のために、という想いが込められています。

ある日、社長が先生のお誕生日に、「先生にほしいものがないのは分かっていますが、何かありませんか?」と聞いたとき、先生は「東京にお店がほしい」とおっしゃったそうです。

先生ご自身がしょっちゅう東京へ行くわけではありません。それでもそう言われたのは、まず、東京出張が多いスタッフの体を心配してのこと。そして、これから繋がっていく「ご縁むすび」の場になるように、という深い考えがあったからなのです。

当時は、東京にお店を持つなんて、まだ夢のような話に思えました。でも、社長は先生の一言を聞いて、すぐに動き出したのです。銀座、青山、表参道、渋谷…と、何日も歩き回って物件を探し、とうとうこの白金の地に「ここだ!」と思える場所を見つけました。それから、工事や内装、インテリアの細かいところまで、すべてをじっくり考えて、この『白金ゆにわ』を作ってくれたのです。

空間、音楽、食器、お水、そしてもちろんメニューの一つひとつまで、隅々までこだわって作られたお店です。それができるまでには、奇跡のようなお話もあるのですが、それはまた別の機会にお話しさせてください。


実際に今、楠葉で一緒に働く仲間の中にも、『白金ゆにわ』での出会いがきっかけで繋がった人がたくさんいます。お客様の中にも、「楠葉は遠いけれど、まずは東京のお店へ」と足を運んでくださる方が、本当に多くいらっしゃいます。

先生は、人や物との「ご縁」を、とても大切にされます。どんな時も、相手が誰であっても、いつも全力で向き合ってくれました。わたし自身が今、ここにいられるのも、先生のおかげなんです。

「一期一会」という言葉がありますが、誰とどこで繋がって、これからどうなるのかなんて、誰にもわかりません。一つひとつの出会いは、まるで天からの授かりもの。だからこそ、どの瞬間も、どのような状況であっても、おろそかにして良いはずがないのです。

わたしたちは、料理においても、学びの場においても、日々の生き方においても、「手を抜いている」と思われるようなやり方は、よく注意されてきました。人生は『ご縁』の連続であり、それをないがしろにすれば、結局はすべて自分自身に返ってくる。そのことを、身をもって教えていただきました。

そして逆に、『ご縁』を心から大切に紡いでいくならば、どれほど豊かで、幸せで、奇跡のような喜びに満ちた日々を送ることができるのか、ということも、繰り返し学ばせていただいているのです。

『白金ゆにわ』には、毎日、本当にたくさんの方が来てくださいます。「毎日ゆにわのごはんを食べたいけど、楠葉は遠くて…」「白金ゆにわがあってよかった!」「エネルギーを充電しに来ました!」そんな温かい言葉をいただくと、本当に嬉しい気持ちでいっぱいになります。

このお店で、後から考えると「これぞ運命」と思えるような「ご縁」が、日々生まれているのを感じています。

来てくださった皆さんに、少しでもあたたかさを感じてもらえるように、わたしもこれから精一杯がんばります。もちろん、わたしだけではありません。『ゆにわ』のどの店のスタッフも皆、同じ気持ちで皆さんをお待ちしています。

お近くにお越しの際は、どうぞ気軽に立ち寄ってくださいね。 皆さんのご来店を、心からお待ちしています。